労働基準法違反の契約
労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となり、この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準によります。
(例1)労働契約時に「時間外労働に対する割増賃金は支払わない」と契約した場合
労働基準法第37条では、法定労働時間を超えて時間外労働をさせた場合は、2割5分以上の割増賃金を支払わなければならないとしていますので、例では労働基準法に違反しています。
このときは、「時間外労働に対する割増賃金は支払わない」という契約は労働基準法に定める基準に達していないわけですから、この契約は無効となり、「時間外労働に対しては2割5分以上の割増賃金を支払う」という契約をしたことになります。
(例2)就業規則に「半年間継続勤務して80%以上の出勤率の場合、5労働日の年次有給休暇を与える。」とあった場合
年次有給休暇について労働基準法では、半年間継続勤務して80%以上の出勤率の場合は、10労働日の年次有給休暇を与えなければならないとしていますので、例では労働基準法に違反しています。
このときは、5労働日の部分は労働基準法の10労働日に達していないわけですから、この部分は無効となり、労働基準法で定める10労働日を与える必要があります。
(例3)就業規則に「年休の賃金は、平均賃金(算定すべき事由が生じた日以前3ヶ月間の賃金総額をその期間中に労働した日数で割った金額)の60%とする」とあった場合
この年休の賃金について労働基準法では、平均賃金又は所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払わなければならないとしており、例では労働基準法に違反しています。
このときは、平均賃金の60%という部分は労働基準法に定める平均賃金という基準に達していないわけですから、この部分は無効となり、労働基準法に定める平均賃金を支払わなければなりません。
このように労働基準法に違反した労働契約や就業規則は、その違反した部分は無効とされ、労働基準法上の基準が適用されることになります。

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